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第27話
作戦却下
京都。
楠木「天皇さ〜ん」
天皇「ああ、楠木くん」
楠木「ニュース見ました? 足利さんの大軍、こっち向かってますね」
天皇「うん。見たよ」
楠木「びびってます? ね。びびってます?」
天皇「ま、まあね、そりゃあ」
楠木「でも大丈夫っすよ。僕、絶対勝てる作戦考えましたから」
天皇「マジ? いっつもすごいね」
楠木「僕の考えた作戦ね、全部で4つのプロセスに分かれるんですよ」
天皇「おぉ〜」
楠木「聞きたいですか?」
天皇「うん、一応聞きたい」
楠木「じゃあ、2→4→3→1のプロセスで話しますね」
天皇「いやいやいや。なにそれ」
楠木「え?」
天皇「そんな無駄なひねり、いらないから」
楠木「じゃあ、1→2→3→3→4の順で」
天皇「3のプロセス、2回もいらないよ」
楠木「じゃあ、どうしろって言うんですか!」
天皇「普通でいいよ。1→2→3→4で」
楠木「わかりました。特別ですよ」
天皇「特別なのかい」
楠木「まず第1段階」
天皇「うん」
楠木「われわれは今のうちに素早く京都を出ます」
天皇「え、出ちゃうの?」
楠木「はい。出て、近くの山に隠れます」
天皇「そんなことしたら、京都、がら空きでしょ」
楠木「いいんです。つづいて第2段階では、」
天皇「うん」
楠木「足利さんが京都を占領します」
天皇「そりゃそうだよね」
楠木「これも作戦のうちです。わざと占領させるんですよ」
天皇「うん。それで?」
楠木「第3段階。われわれが京都を包囲します」
天皇「おぉ」
楠木「京都を包囲して足利さんの補給路を絶ちます」
天皇「なるほど」
楠木「足利さんは大軍ですから、すぐに食料が尽きます」
天皇「つまり、敵の大軍を京都に閉じ込めて兵糧攻めにするってことね」
楠木「そうです。そしていよいよ第4段階」
天皇「うん」
楠木「敵がお腹ペコペコになったところを一気に攻め込んで勝利します」
天皇「ダイナミックな作戦だ!」
楠木「はい」
天皇「でもそんなダイナミックな作戦だったらさ、指揮するの大変だよね」
楠木「普通の人には無理ですね。僕にしかできませんよ、きっと」
天皇「そうだね」
楠木「じゃあ、さっそく準備します」
天皇「待って」
楠木「はい」
天皇「その作戦、却下」
楠木「はっ?」
天皇「却下」
楠木「……でも、勝つにはこの作戦しかありませんよ」
天皇「とにかく、却下なんだよね」
このとき楠木正成が提案した作戦は完璧だった。実際、天皇が勝利するにはこの方法しかなかった。
しかし、後醍醐天皇はこれを拒否した。
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