楠木正成の目次へ
第22話
尊氏の寝返り
ここは京都。楠木正成は鎌倉から京都に戻ってきた。
楠木 キョロキョロ〜
兵士「楠木さん、どうかしたんですか?」
楠木「天皇さんのところに行こうと思って」
兵士「天皇さんの部屋はぜんぜん逆方向ですよ」
楠木「……。う、うん、知ってるよ(汗)」
兵士「知っててどうして?」
楠木「それは、えーと、僕が偉大な武将だからだね」
兵士「え?」
楠木「偉大な武将ってのは誰にも動きを読まれちゃダメなの」
兵士「なるほど」
楠木「だから日頃から常に逆、逆って動くの」
兵士「普段からそんなことまで意識して生活してるんですか」
楠木「まあね」
兵士「すごいな〜。さすが楠木さんですね。僕には無理です」
楠木「そんなことない。きみも日々の努力次第で偉大な武将になれるよ」
兵士「がんばります」
楠木「で、天皇さんの部屋、どっちだっけ?」
兵士「あっちですよ。知ってるんですよね?」
楠木 ドキッ……
兵士「あ、そうか。知ってるのに知らないふりをして訊く。これも相手の逆をつくという実例ですね」
楠木「そ、そう。その通りだよ(汗)」
兵士「恐れ入りました」
一方、鎌倉に滞在中の足利尊氏は……。
部下「足利さん、どうします? 京都に戻りますか?」
足利「今さら戻っても、天皇さんは許してくれないだろうね」
部下「きっとカンカンですよ」
足利「私に反逆の意思があるかもしれない、とさえ思ってるよ、きっと」
部下「そうですね」
足利「京都に戻っても戻らなくても反逆者扱いだ」
部下「はい」
足利「こうなったら、本当に反乱を起こすしかないね」
ここは京都。兵士の会話。
兵士1「さっきね、楠木さんと話したさ」
兵士2「え、あの、わりと英雄の楠木正成?」
兵士1「うん」
兵士2「どうだった? わりと英雄だった?」
兵士1「偉大だわ。感動した」
兵士2「どんなところが?」
兵士1「偉大な武将はね、誰にも動きを読まれないために常に逆、逆って行動するんだって」
兵士2「ふ〜ん」
兵士1「おれも努力すれば偉大になれるって言われた」
兵士2「おぉ〜。がんばんな」
兵士1「うん」
同じく京都。天皇の部屋。
楠木「ただいま〜。鎌倉から戻ってきました〜」
天皇「楠木さん、大変だよ」
楠木「どうしました?」
天皇「たった今ニュースが入ってさ。足利さんが反乱を起こしたって」
楠木「えーっ!」
西暦1335年。足利尊氏、挙兵。
全国の武士の会話。
武士1「大変だ!」
武士2「どした?」
武士1「足利さんが天皇さんにケンカを売ったよ」
武士2「マジ? やばくない? おれら、どうする?」
武士1「そりゃ、足利さんに味方するよ」
武士2「だよね。最近の天皇さん、ダメダメでむかつくもんね」
後醍醐天皇の新政に不満を持っていた武士たちは、続々と足利尊氏に加勢した。
一方、京都。
天皇「足利さんの味方がどんどん増えてる!」
楠木「まずいですね」
天皇「しかも物凄いスピードでこっちに向かってる!」
楠木「このままだと袋叩きですよ」
天皇「楠木くん、なんとかして〜(涙)」
楠木「なんとかって、いわれても……」
足利尊氏の大軍はすぐそこまで迫っていた。
第23話へ
楠木正成の目次へ
最新作はメルマガで♪
空メールで登録