ダビデ王の目次へ
第8話
即位

故郷のイスラエルに帰ったダビデは、休むまもなく民衆に呼び出された。

ダビデ「喫茶店に呼び出して、どしたの?」

民衆「いや、じつはですね、サウル王が亡くなったんですよ」

ダビデ「ああ、知ってる」

民衆「で、やっぱ次の王様を決めないと、まずいじゃないですか」

ダビデ「まあね」

民衆「ダビデさん、なってくださいよ」

ダビデ「え?」

民衆「次の王様に、なってくださいよ」

ダビデ「えー。なんで突然!? 僕、ただの元羊飼いだよ」

民衆「だって、ダビデさんは巨人を倒してイスラエルの危機を救った英雄だし、暗殺者を気迫でしりぞけるほどの大器じゃないですか」

ダビデ「いや、それは…」

民衆「ダビデさんしかいないんですよ」

ダビデ「あ! もしかして…」

民衆「??? なんですか?」

ダビデ「これ、ドッキリでしょ?(小声)」

民衆「は?」

ダビデ「ドッキリカメラでしょ?(小声)」

民衆「違いますよ」

ダビデ「カメラどこ?(小声)」

民衆「違いますって」

ダビデ「大丈夫、カメラのほう見ないから(小声)」

民衆「カメラなんて、ないですよ」

ダビデ「僕、だまされるふりするね。さっきも神様に『番組のこと考えないと、仕事がこなくなる』みたいに言われたから(小声)」

民衆「なに目指してるんですか…」

ダビデ「放送いつ?(小声)」

民衆「………。と、とにかく、これにサインしてください」

ダビデ「なにこれ?」

民衆「王様になりますっていう念書です」

ダビデ「まぁ、どうせ番組だしね。サラサラサラっと。はい、書いたよ」

民衆「ありがとうございます。これでダビデさんはイスラエルの王様です」

ダビデ「ねぇ、店員もみんな仕掛け人なの?(小声)」

民衆「では、これで失礼します」

ダビデ「待って。看板もった人、出てこないけど、いいの?」

民衆「看板?」

ダビデ「『じつはドッキリでしたー。大成功〜』っていう人」

民衆「そんな人、いませんよ」

ダビデ「?( ゜o ゜)  ということは…」

紀元前1011年。ダビデはヘブロン町の民衆に支持され、イスラエルの第2代国王に就任した。このときダビデ、30歳。

羊飼いだった若者は、預言者モーゼに匹敵するイスラエル史の巨大なカリスマへと変貌してゆく。


第9話へ

ダビデ王の目次へ
最新作はメルマガで♪
空メールで登録