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最終話
約束の場所
紀元前1000年頃、イスラエル王国はイェルサレムを新しい首都にさだめた。
ここは、日の当たる丘。
ダビデは目を覚ました。
ダビデ「(* ̄・ ̄)ぼーっ」
神様「おはよう、ダビデ」
ダビデ「あ、神様…」
神様「気分はどう?」
ダビデ「……僕、たしか死んだよね?」
神様「死んだね。爆死。壮絶」
ダビデ「じゃあここ、天国?」
神様「違うよ」
ダビデ「…地獄?」
神様「違う」
ダビデ「じゃあ…?」
神様「ここは日の当たる丘」
ダビデ「えっ」
神様「約束の場所だよ」
ダビデ「約束の場所?」
神様「めし喰う約束したしょ。今日が、約束の日だよ」
ダビデ「でも僕、死んだんでしょ」
神様「死んだけど、生き返った」
ダビデ「そんなことできるの?」
神様「偉い神様にお願いした。研修クリアのご褒美で、なんでも叶えてくれる約束だったしね」
ダビデ「そうかぁ」
神様「恋愛玉をあきらめて、君を生き返らせてもらったんだ」
ダビデ「だけど、死んだ人間を生き返らせるのって、ルール違反じゃないの?」
神様「ルール違反だよ」
ダビデ「やっぱり」
神様「だから、偉い神様にすげぇ怒られた」
ダビデ「なんか、ごめん」
神様「でもさ、ルールを侵しても大事にしたいものってあるしょ」
ダビデ「あるね。ランチの約束」
神様「そう。ランチの約束(笑)」
ダビデ「ありがとう、神様」
神様「おかげで、恋愛玉を逃しちゃったよ」
ダビデ「悪いことしたね」
神様「でも大丈夫。おれにはこれがあるから」
ダビデ「なに、その本?」
神様「『図解・恋愛入門』」
ダビデ「恥ずかしいタイトルだね」
神様「うちの書斎にあったんだ。うちの書斎、本いっぱいあるからね」
ダビデ「でも、要塞の攻略の本は、なかったよね」
神様「人を傷つける本はないの。それがこだわり」
ダビデ「素敵なこだわり」
神様「でしょ」
ダビデ「そういえば、遷都は無事にすんだのかな?」
神様「すんだ。イェルサレムが新しい首都になったよ」
ダビデ「ねぇ神様」
神様「なに?」
ダビデ「僕、王様の仕事、うまくやれるかな?」
神様「やれるよ」
ダビデ「神様が言うんなら、間違いないよね」
神様「新しい首都のもとで、イスラエルの黄金時代が始まるんだ」
ダビデ「すごいね」
神様「むこうでみんなが待ってるよ」
ダビデ「みんな?」
神様「民衆や、北部人や、常備軍たち。君が愛したユダヤの人々」
ダビデ「みんな待っててくれてるんだ♪」
神様「元気な姿、見せてやんなよ」
ダビデ「そうだね」
神様「ランチはそれからだ」
ダビデ「うん」
ここから、イスラエルの黄金時代がはじまる。
紀元前10世紀前半、ダビデ王、没。その生涯は伝説となった。
ダビデの死後、息子ソロモンが王となり、イスラエルの繁栄は絶頂をむかえる。
ダビデ王・完
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