歴史パロディ 百人一首 その1
【原文】秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露に濡れつつ(天智天皇)
【訳】
秋。稲を刈るときの小屋がボロボロだと、袖が夜露に濡れるでしょ?
そんなふうに、今おれの袖も涙に濡れてるんだよね。
君に飽き(秋)られてしまって。
【原文】春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山(持統天皇)
【訳】
いやぁ、春が過ぎてもうはや夏かい!
毎年、あの神聖な香具山では、夏が来ると白い衣を干す習慣があるんだけど、
今年ももう干してあるらしいよ。早いもんだねぇ。
【原文】あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む (柿本人麻呂)
【訳】
山鳥って夜は恋人と別々に寝るんだってさ。
長い尾を垂らして、なんか寂しそうだよね。
おれも今夜は寂しいな・・・・。山鳥の尾みたいな、長い夜になりそうだよ。
【原文】田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺に雪はふりつつ(山部赤人)
【訳】
どうしようもなく寂しくって、たまらず田子の浦に行ったのさ。
そしたら果てしない冬景色の中、富士山のてっぺんに雪が積もってる。
なんか、もっと寂しくなっちゃった。
【原文】奥山に もみぢふみわけ なく鹿の 声聞く時ぞ 秋はかなしき(猿丸大夫)
【訳】
山の奥には紅葉した葉がたくさん散ってて、
鹿がそれを踏み歩きながら鳴いてるよ。秋だね。切ないね。
【原文】かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける(中納言家持)
【訳】
七夕の夜には、かささぎっていう鳥が天の川に橋をかける。なんでか知ってる?
織姫と彦星をご対面させるためだよ。
その「天の川の橋」に似てる橋が、宮中にもあるんだけど、
その橋に霜が下りると「あー、夜も更けたなぁ」って思う。
【原文】天の原 ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に いでし月かも(阿倍仲麻呂)
【訳】
空を見るとさ、高い夜空に月が光ってる。
ふるさとの春日に三笠山ってのがあって、
そこで見た月もきれいだった。思い出すなぁ。懐かしいね。
【原文】わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり(喜撰法師)
【訳】
おれ、都会から離れた山奥で静かに暮らしてるんだ。
みんなはこの宇治山のことを「憂し山」つまり「現実逃避の憂いの山」って噂してるよ。
関係ないけどね。
【原文】花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに(小野小町)
【訳】
なんか知らないうちに、桜はすっかり色あせちゃった。
そんなふうに私の人生の春も過ぎてしまったのね。くすん。
【原文】これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも あふさかの関(蝉丸)
【訳】
逢坂の関!この場所が旅の出発点だし、終着点でもあるんだね。
知ってる人も知らない人も、会っては別れ、別れては旅立ち、戻っては再会する、そんな感じ。
人生って旅さ!
【原文】わたの原 八十島かけて こぎいでぬと 人には告げよ あまのつり舟(参議篁)
【訳】
そこの釣り舟の人、伝言をお願いします。
「おれの船は広大な海のずっと向こうにある島々を目指して進んでるぜ〜」と、
都会に残してきた僕の恋人に伝えて下さい。
【原文】天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ(僧正遍昭)
【訳】
風さん風さん、天女が「もう帰る」って言ってるんだけど、
天につながってる雲の道をぴゅーって吹いて通行止めにしてくれない?
そしたら彼女、もうちょいここにいてくれるしょ。
【原文】筑波嶺の 峰よりおつる みなの川 こひぞつもりて 淵となりぬる(陽成院)
【訳】
みなの川っていう川が筑波山から流れてるんだけど、
それって当然、水かさが増すにつれて深くなるよね。
それと同じで、おれの恋心も時間がたつほど深まって、おぼれちゃうのさ。
ちなみに「みなの川」は「男女の川」っていう意味とかかってるの、ポイントね。
【原文】みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに(河原左大臣)
【訳】
葉っぱを布にグリグリ〜ってやって、
ねじれ模様をつけるテクニックが、東北地方にあるんだ。
その模様みたいに、おれの心は乱れてるんだけど、
誰のせいだと思う?おまえのせいさ、べいびぃ♪
【原文】君がため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ(光孝天皇)
【訳】
あなたのために春の野原で若菜を摘んでたんだけど、
僕のその袖んとこに雪がはらはらと降りかかるんだ。
二人の愛を祝福してるみたいな雪でした。
【原文】立ちわかれ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いま帰り来む(中納言行平)
【訳】
ばいばーい。おれもう行くよ。
でも君が「あの稲葉山の”松”の木みたいに、あなたの帰りを”待つ”」って言うなら、
すぐにでも戻ってくるね。
【原文】ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは(在原業平)
【訳】
ちょい見てみ。竜田川の水面に紅葉がいっぱい浮かんでさ、なまらきれいじゃない?
その紅葉の下を川がさらさらって流れてて、なんかいいよね。
昔々の神様の時代って神秘的だけど、そのころにもこんな最高な光景はなかっただろうね。
【原文】すみの江の 岸による波 よるさへや 夢のかよひ路 人めよくらむ(藤原敏行)
【訳】
夜の波は人目を避けて岸に寄って来るけど、
おれもその波みたいに、夜の夢の中までも人目を避けて君に会いに行くのさ〜。
【原文】難波潟 みじかき芦の ふしのまも あはでこの世を すぐしてよとや(伊勢)
【訳】
会ってくれないの?ちょっとでいいから会ってよ。
植物のアシの節と節の間って短いしょ?そのくらい短い時間でいいから会ってよ。あっそう、だめかい。冷たいなぁ。
↑【感想】そんな例えをする奴とは、できれば会いたくない。
【原文】わびぬれば いまはたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う(元良親王)
【訳】
おれたち愛し合ってるのに、
スキャンダルになっちゃって会えない!つらい!死んでも会いたい!
ありけん